ダブルワークを考えたとき、まずどんなことを優先するでしょうか。
多くの方は、現在の仕事に支障がでないような時間や、体力を消耗し過ぎない程度の労働を選ぶのではないでしょうか。
そうなると、休日一日や、通常の仕事後の時間帯で働ける仕事を探すことでしょう。
ですが、多くの単発アルバイトは、平日が多いものです。
休日の仕事があっても、その日だけではなく、数日拘束される場合もあります。
休日一日を使って、その日だけで完了するアルバイトはないものか・・・
となると、試験監督がぴったりくるのではないでしょうか。
今回は、試験監督のレポートです。
試験監督の単発アルバイトは仕事にたどり着くまでが長い・・・
世間では、ありとあらゆるところで試験が行われています。
予備校の模擬試験、国家資格、英検、TOEIC・・・
会場を借り、限られた時間内で机や椅子を設置し、必要な書類を準備し、事務的な手続きも行う・・・そんな設営が細かくマニュアル化されています。
受験をされる人達は、お金と時間をかけた勉強の成果を試しにくるので、少しでも試験の環境が悪いと、自分の試験のスコアが悪い場合は環境のせいにしたがります。
中には、試験に合格しなかったのを環境のせいにする方もいるでしょう。
ですので、試験の運営は落ち度のないように勤めなくてはならないのです。
そのシステム化された試験会場運営のなかで、さらに分割して、試験監督の仕事マニュアルが作られているのです。
設営までは少人数でできても、全国から集まってくる沢山の受験生を監視するのは、少人数ではできないのです。
試験は時間を合わせて一斉に始まり、終わりも平等に同じ時刻で終わらなくてはなりません。
試験開始の前の注意も、始まる時間に合わせて滞りなく行わなければなりません。
試験の間は、具合の悪い人はいないか、不具合を訴えている人はいないかと、会場を見渡していなくてはなりません。
この緊張感を制する方が、試験監督になれるのです。
試験監督(試験官)の単発バイトは登録から
試験監督のアルバイトは比較的時給が高い場合が多いです。責任感が求められる上に、経験のある方が優遇されることもあるでしょう。
ですので、単発のアルバイトでも、面接はきちんとするようです。
私が面接を受けた会社では、広い貸しホールで説明会のあと、簡単な経歴を説明する集団面接に近い個人面接をしました。
流れ作業のように次々と面接してゆくのですが、履歴書と職務経歴書まできちんと書いたものを持って行きましたので、単発のアルバイトにしては本格的な面接だと思います。
寒い時期でしたので、体調不良などで欠席をして試験官不在とならないよう、補充人員も多く必要なのだそうです。
派遣会社が運営していたこともあり、試験監督の仕事がない場合は別の仕事を紹介されることもあるようです。
実際のところ、私は試験監督の面接で採用される自信がありませんでした。
面接に来ているみなさん、スーツできっちりとしている方ばかりで、普段も堅い仕事をされている方が多いのではないかと思っていたのです。
無事に採用となった時はホッとしましたが、仕事に入るまでまだ続きがあるのでした。
試験監督(試験官)の単発バイトは登録が終わっても研修で一日つぶれる
採用の連絡と共に、研修があることを告げられました。
この研修を受けておけば、あとは試験のあるときに仕事を紹介してもらえるのです。
もちろん、そのとき都合が悪ければ断ることもできるので、融通は利くというわけです。
試験官の単発アルバイトは、適正が合えばリピーターになりやすい仕事のようです。
そんなわけで、雨降る冬の日、採用になった人達は、登録会場だったホールへ再度出かけて研修を受けたのですが、午前2時間半、午後2時間、終わる頃には外は雪でした。
交通費として2,000円出してもらえましたので、それは助かりました。
研修の内容は、マニュアル2冊をもらって、試験のおおまかな流れの説明を受け、マニュアルの中のスクリプト(台本)を一人ずつ声に出して読み、試験管が受験生へする説明をシミュレーションするといったものでした。
採用された方々ですので、真剣ながらもどこか和やかではありました。
会場には採用された方が100名近くはいたかもしれません。
全国規模の試験となると各地に会場ができますので、そのぶん人員が必要なのでしょう。
マニュアルの内容は細かいところまで指示が入っており、覚えるのが大変でした。
もっとも、一番大変なのは試験前に時間までに説明などをして時間をつねに確認している総監督にあたる方で、時給も違うようなのですが、このポジションにつける方は経験者の方が多いようです。
研修を済ませても、あれだけの人数なので声がかかるかどうかと思い、半ばあきらめていたところ、補充人員として来て欲しいとの連絡がありました。
こうして、晴れて試験監督デヴューした私です。
単発試験監督(試験官)初体験は国家試験とTOEIC試験
国家試験の単発試験官アルバイト補充人員の仕事は天からの贈り物
国家試験になると、国がスポンサーとなるので、服装はきちんとしたものをと、スーツかジャケット着用でした。
試験時間を正確にはかるため、秒針のある腕時計が必須となり、時間はスマホで見るようになって久しい私は、安い時計を試験官バイトのために購入しました。
試験会場はとある私大で行われました。講堂をいくつも使って試験会場にしています。
この日のために全国から受験生が集まって来るので、かなり大掛かりなものとなり、試験監督および試験官のみなさんも多くの人数が配属され、試験の運営本部に使っていた大学の広い講堂ひとつが満員になりました。
その講堂はスタッフの朝の打合せやお昼休憩などに使っていました。
初の試験官バイトに補充要員で呼ばれた私は、もう一人補充で呼ばれたという方と並んで後ろのほうの座席で待機していることになりました。
他の試験官の方々が、各々配属された試験会場へ慌しく向かうと、がやがやと賑やかだった講堂はシーンとしてしまいました。
ぼんやりしているのも何だから、何か支持を受けに行こうと、講堂の教壇付近に陣取って総指揮をとっていた派遣会社のスタッフさんのところへふたりそろって行きました。
「では、お弁当とお茶配っておいてください。」
お弁当とお茶?
驚いたことに、今回の仕事、お弁当とお茶の配布があったのです。
国家試験のときは、予算が多めになるため、スタッフさんへお昼が振舞われるのだとか。
国が力を入れているような資格試験にはお金も多く流れるそうです。
スタッフさんもニコニコして、
「このバイト今日が始めてなら運がいいですよ。国家試験のときはお弁当がつくから、リピーターさんがやりたいって言ってくるので空きはめったにでないの。」
と、仰いました。
こちらがお弁当・・・
そして、私ともう一人の方は、お昼に他の試験官の方が自席に戻られたときに、すぐ食事ができるよう、お弁当とお茶を座席に配っておきました。
そのあとはまた特別することもなく、寝不足で具合の悪くなった受験生の方を保健室へ案内したほかは、二人でマニュアルなどを読み返していました。
「みんなが戻る前にお昼食べておいたら」
との言葉に甘えて、食事も早めにのんびりしていました。
もう一人の補充人員の方も、
「こんなことでお金がもらえていいのかしら・・・」
とつぶやきながらも、弁当をおいしく食べていました。
まさに二度おいしいでしたが、それまでお金の工面で休みなく単発バイトのダブルワークをして疲れきっていた私に、神様がたまには休みなさいとご褒美をくださったのかもしれないと思い、ありがたく頂きました。
単発のアルバイトは、一日だから我慢できるというようなものから、今回のように、極まれに、本当にこれでよいのかと思うぐらいの楽な作業で終わってしまうこともあるのです。
そんなわけで、試験官初バイトは、仕事らしい仕事もなく、おいしく食べて終わりました。
単発試験官アルバイト次は午後TOEIC試験官
TOEICという英語の試験をご存知でしょうか。
日本では、高スコア保持者は就職の際に有利になるそうです。
前回の国家試験よりも試験の頻度が高く、ほぼ毎月ありますので、一度経験しておけば、定期的にアルバイトにつける可能性があります。
月に一度は単発で仕事を得られるチャンスがあるということですので、休日にダブルワークをしたい方で、単発で月に1,2度の頻度で仕事が欲しいという方であれば、TOEICと国家試験の試験官のアルバイトをしていれば、ほぼ毎月稼ぐことも期待できるというわけです。
さて、国家試験の試験官のときは大した手伝いもできず補充人員だった私ですが、TOEICでは外での案内係を命じられました。
試験会場は某イベント会場と隣接しており、受験生の方が間違えてそちらへ行ってしまう可能性があるというのです。
ちなみに某イベント会場ではコスプレ大会が行われていて、受験生の方が興味本位で覗きに行ってしまうので、一般の人は立ち入り禁止だとスタッフさんが怒られていたようです。
どうも、このようなイベントの会場が隣り合わせてしまう場合が多いのだそうです。
国家試験より規模は比較的小さいものの、それでも試験会場は大小合わせていくつかありましたので、会場前のフロアも広く、受験生の方々は自分の座席番号のついた席を探すのにひと苦労で、案内スタッフは何人も待機します。
2月の寒い時期に、コートなしのスーツ姿ですので、下にはヒートテックなどを着込んで対応します。
長く立っている仕事には、厚底の靴を履くと足が疲れません。
会場は駅の近くだったので、休憩時間はスタッフルームとして借りてあるホールへ食事をしに戻ります。
国家資格試験ではないので今回はお弁当振る舞いはなしです。
TOEIC試験は国家試験よりも時間が短く、昼休憩はなかったように思いましたが、ここの記憶が少々飛んでいます。
合間に休憩はあったのは覚えています。コンビニで買ったコーヒーでひと時の暖をとって再度会場へ向かいました。
試験の間は、外の案内係は大してすることがなかったのですが、その間に、試験が終わってからの撤収の打ち合わせなどもしていた気がします。
一度だけ、他の会場に数人で様子を見てきてくれないかと緊迫した場面がありました。
試験終了10分前の合図を出さなくてはいけない時間なのに、会場から試験監督の声がしないというのです。
「まさか寝てしまったのでは・・・」
そちらへ向かった数人で、静かな会場の前でオロオロしましたが、リーダーの方が様子を見に入り、私や他の方は元の場所に戻ったので、その後どうなったかはわかりませんでしたが、このようなアクシデントもあるのでした。
試験が終わり、会場から人が引けたあとは、解答用紙などを回収して数を数えるなどの残務や、看板など撤収作業もあります。
前回の国家試験のときも、案内板などを前日から貼る作業などあったのですが、それらは手伝える方を募って近くに住んでいる方などが協力していたようでした。
慣れているリーダー格の方々が残って集計作業などをしていましたが、大勢いなくてもよい仕事なので、あとは用事のない人はお給料の手続きなどをして解散した気がします。
どうにもTOEICの試験は短かったせいか、指示されたとおりに動いていたせいか記憶があいまいです。
当時はひたすら疲れていて、とっとと帰って寝たいとしか思ってなかったかもしれません。
単発試験監督(試験官)国家試験とTOEIC試験の給与
過去の家計簿を出して給与金額を調べたところ、税金などを引かれた額で、国家試験のほうは11,465円、TOEIC試験のほうは9,286円となっていました。
もしかしたら金額は同じで、余分なほうは研修時の交通費が加算されたものかもしれません。
私は初登録で始めたばかりということもあり、この金額ですが、総監督など重要な仕事を任されている方々は、もっとお給料がよいのではないかと思います。
リピーターさんがベテランさんになっていくと段取りもうまくなり、単発のアルバイトとしては割が良くなっていくのでしょう。
単発軽作業アルバイトおわりに
いろいろな単発バイトを体験いたしましたが、その後、それらをまだやっているのかと言えば、最初の体験だけで次はありませんでした。
それまでメインでしていた給料の安い事務の仕事が丁度契約終了になり、失業給付をうけながら、もっとお給料のよい仕事を探すことにしたのです。
しかし、慣れないダブルワークを続けて、仕事を辞めたあと風邪をこじらせてしまい、回復までに一ヶ月ほどかかってしまいました。
あの頃はとにかく、すぐに金にしなくてはと必死で働いていたから気がつきませんでしたが、あんなに違う仕事を短期間のうちにとっかえひっかえでダブルワークしていたら、体調も悪くなるってものです。
どんなことが自分に合うか試してみたかったということはありますが、みなさまは、私のレポートを参考にして、健康に自身がなければ無理に色々チャレンジはなさいませんよう、適切な仕事選びをしてくださいね。
最後までごらん頂きありがとうございました。
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