コロナ禍で閉じこもりネトフリ族です(笑)
趣味のお出かけ記事がなかなか書けなくなったので、映画やドラマの話を書こうと思います。
宮沢りえさん主演のドラマが始まると聞いて『紙の月』を見る
宮沢りえさんの名前を久しぶりにネットで見かけました。
宮沢りえさんと言えば、お若い頃はサンタフェなどで有名でしたが、私はテレビでカワイーカワイー言われていた頃のりえさんにはあまり興味がありませんでした。
むしろ、その後結婚に失敗してゴタゴタあり、苦労した後の一皮むけたあたりから、猛烈好きになりました。
演技に磨きかかかったというか、深みが出たというか…
やっぱり、ニンゲンは中身が磨かれてこそですよ!
『紙の月』キャスト見どころ(ネタバレナシ)
それはそうと、観ました。『紙の月』。
すごくかいつまんで言えば、
「人生に満たされていない主婦が
ひとつのきっかけからどんどん犯罪に手を染めていく話」ですね。
もちろん、ひとつのきっかけが起きるまでの事情に、潜在的な社会の闇みたいなメッセージも入っています。
それが、後で言う一部の女性には受けるだろうな~という要因なのでしょう‥
初めてつまんでしまったシーンからしばらくは
緊迫した、重ッッた~い‥空気が伝わって
こちらまで胸が詰まってきます‥
それにしても、「魔が差す」という言葉がありますが‥
「やっちゃったなあ~‥」って言葉がピッタリのストーリーですね。
お金盗んでどんどん綺麗になる宮沢りえさん(笑)
なに不自由のない生活をしているように見えながらも
枯渇(こかつ)した心情から、なんだか色々タガが外れて行ってしまう
主人公の中年主婦、梅澤梨花。
宮沢りえさんの華奢でか細いイメージからの大胆になっていくサマがすごいです。
お金はニンゲンをここまで狂わせてしまうのか‥
清貧って何でしょう?幸せって何でしょう?
なんで夫に何も言えないでこんなことになってるんでしょう?
そいういった色々な「?」はさておき、出ばなに一度狂ってしまうと
あとは野となれ山となれでガンガン飛ばして行きます。
もう、「峰不二子」ばりに悪びれない感じになっていって、
お金を盗んでいるのにイキイキとすらして見えます。
イキイキと言うより、ギラギラしているというのが正しいのでしょう。
まずはギラギラ光り輝いていくりえさんの変化と演技が見どころでしょう。
地味に見える女性ほど、ひと皮むければ大胆になるとかなんとか‥
まあ、これだけのことができるって、頭は良いのでしょうね。
高い能力も、使い方誤ると犯罪です。
この映画、一部の女性に、観てスカーッとするという感想があるのは、ありえねー話がみるみる展開していくところですね。
特に、鬱屈した同じような境遇にいる主婦の方とかは気分が良いかもしれません。
ここまでぶっ壊れることあまりできませんから。逮捕されますから。
追い込んでいく割になんか優しいところのある小林聡美さん
「これは良いお局」の小林さん扮する隅より子さん。
銀行の窓口勤務20年以上のベテランです。
梅澤梨花の犯行に一番先に気づくシーンなど、なぜかハラハラさせます。
最初の時に気づいてすぐ問い詰めて行けば、あそこまで転がり落ちなかったのですが‥
それにしても色々甘々な銀行です(笑)
最近、何度もシステムエラーで新聞沙汰になっている、どこぞの銀行と少し被ってしまいます‥
小林聡美さんの役どころって、始めはとっつきにくい、キツい感じがあるようで、どっか損してる感じで、最後はほのかにのどかさが残るパターン多くないですか?
今回も、不条理な現実を見逃さない、強さのある女性を演じています。
役者さんは、映画の予告当初から話題性のある実力派が多いとのことで
演技はみなさん素晴らしかったです。
濡れ場は確かに多かったですね。
イヤイヤイヤイヤ‥いきなりですか?みたいな(笑)
『紙の月』は実話だったの?モデルになった事件がある?
繰り返される横領のシーンで
「こんな簡単にお金抜いちゃえるの??」
「この銀行ヤバくね?こんなんじゃマジでお金預けられなくね??」
なんて思いながら観ていましたが、この映画、実話だという噂もありますね。
こんな銀行リアルであったらマジ怖いって思ってたのに、なんと、モデルとなっている事件はあったようです。
モデル事件は1973年の「滋賀銀行9億円横領事件」
『紙の月』の原作は小説で、フィクションです。
しかし、『紙の月』を執筆するに際、モデルになった実際の事件があったそうで‥
それが1973年に、滋賀銀行の女性銀行員が9億円近い額を横領した事件です。
50年近く前の出来事だから知らないなあと思っていたら、なんと、有名な3億円事件がそれより前の1968年にありました。
3億円事件は史上初の完全犯罪として有名でしたが、そのあとにもそんな事件があったとは。
調べていたら、10年前の2011年にも6億円強奪事件があったそうで、けっこう大金が盗まれることってあるのですね‥
6億円のほうは、犯人は捕まったものの、金額は全額回収とはいかないままのようです。
盗んだもの勝ちでは困ってしまいますね。
『紙の月』は、現在Netflixで配信中です。
原作小説は角川書店より販売中。