かつて『美魔女』なるワードが流行っていた時期がありました。
年齢不詳の中年以上?の綺麗な女性をさして言った言葉です。
テレビで紹介される彼女たちが綺麗に見えれば見えるほど、実際の年齢が高いほど、驚いたものでした。
その言葉が流行ると同時ぐらいに、『アンチエイジング』という言葉も出てきたように思えます。
「自然体が一番」と、今ではやや廃れた感もあるこの言葉。
確かに無理をして若作りしても、年齢を巻き戻すわけにはいきません。
だけど、どうせだったら華麗に加齢したいではありませんか。
アンチエイジングに目覚めた頃の私の話です。
20代に意識されている30代の自分に気がついたアンチエイジング序章
30代後半、私はとある会社に、産休代理の派遣で働いていました。
それまでフリーで仕事をしていたのですが、収入の安定のため、14年ぶりに通勤で働くことにしたのです。
500人ほどの規模で、なかなかの人数の会社です。
自宅で一人でコツコツと仕事をしていた身には、男女で様々な年代の社員さんがいる会社で働くのは新鮮でした。
私は、20代後半から、30代前半の、私よりやや若い人たちのグループに混ぜてもらい、お昼はいつも社食でお弁当を一緒に食べていました。
古きよき昭和を引きずっているような会社で、新入りの私に困ることがないようにと、皆が気を遣ってくれました。
女性は当番制で、給湯室でポットにお湯を入れたり、各部署の全員のカップをその日の最終日に洗う仕事などもありました。
制服もあり、まさに昭和の雰囲気がにじみ出るような気分でした。
ある日、私が当番でカップを洗っていると、いつも一緒にランチを食べているグループの、年下の子が給湯室に現れました。
残業になって、休憩にカップスープを飲もうと、お湯を入れに来たのでした。
狭い給湯室で、お湯が沸くまでたわいのない話をしていたところ、彼女が
「○○さんってどう思います?」と聞いてきました。
彼女の部署に居る男性のようですが、私とは面識がありません。
知らないので、そう答えると、
「私の好きな人なので、手を出さないでくださいね。」
などと言うではありませんか。
独身とはいえ、私は彼女より10歳以上は離れていたアラフォーの30代でしたので、まさかそんな若い子からそのように牽制されるとは!
あまりに意外で、嬉しくて笑ってしまいました。
色気より食い気が先にたつ私は、派遣の契約が終わる最後まで、その男性がわからないままでした。
後に、別の職場で友達になった同世代の人にその話をしたら
「ヤダー女子っぽい!楽しそう!」と喜ばれてしまいました。
その件で初めて、自分でも若い子から意識されるのかとわかりました。
40代を意識する30代の自分がアンチエイジングを始める
20代の例の彼女は、仕事の帰りにスポーツクラブに行ったり、飲み会に行ったり、20代らしくなかなか活動的だったようです。
会社のテニスサークルにも在籍していたようでした。
私はすでに生活に疲れている30代後半でしたので、仕事が終われば寄り道せず家に帰り、PCで動画を見ながらビールを飲むような有様でした。
ひとり暮らしでお金もなく、帰宅したら食事の支度に翌日のお弁当の準備もしなくてはなりませんでした。
20代の彼女は実家暮らしのため、会社のお給料はある程度自由に使えたのでしょう。
毎日、バーゲンでは買わない、お嬢様ぽい服を着て、髪もマメにカールさせて、お洒落して会社へ来ていました。
いつも常にベストの自分でいるようにしていたのかもしれません。
他の30代前半の同僚の女性達は、彼女を見て
「さすがに真似できん」などと笑って言っていました。
ある日のこと。
私のいる部署の課長の奥様は、もと社員さんでした。
結婚して退職したものの、旦那様である課長もいるため、OGとして、会社のテニスサークルに在籍していました。
20代の彼女も入っている、会社のテニスサークルです。
ある日、テニスサークルの飲み会があり、みんなで集合写真を撮ったそうで、20代の彼女が、私の部署にやってきて
「課長、奥様に渡しておいてください」と、写真を置いていきました。
透明の袋に入ったまま、デスクに置いてあったので、通りがかりにチラッと見えたのですが、
奥様は、40代とは思えない美貌で、20代の彼女の隣で光り輝いておりました。
「なんですか!課長の奥様すごい美人ですね!20代より若く見えるじゃありませんか!」
つい本音が出てしまい、20代の彼女が部署から出て行ってからで良かったです。
「奥様何かされてるんですか?若さの秘訣か美容法教えてくださいってお伝えしてください!」
まくしたてて聞く私に、課長はニヤニヤして
「プラセンタ・・・」
とポツリとつぶやきました。
なんでも、プラセンタの注射を月イチでしているのだとか。
「プラセンタって聞いたことがありますよ。高いのでは?」
「安くやってくれるところを知ってるらしいよ」
安いとはいえ、さすがにいきなり注射は抵抗がある。
調べたところ、プラセンタはドリンクや錠剤などもあるようだ。
私が美容サプリメントを意識したのはこれが初めてのことでした。
サプリメントは、貧血になったことがあり、鉄剤とマルチビタミンは飲んでおりました。
それは『美容』目的ではなく、あくまで『健康』目的です。
健康目的が結果的に美容にも効果があったということもあるでしょう。
しかし、その写真を見て、初めて
「美しくいるには、意識してつとめねばいけないのだ!」
と思いました。
いや、本当に、そのぐらい衝撃の写真だったのです。
年を取るのは仕方ないにしても、20代の子と並んで引けをとらない40代ですよ?
ストレートに羨ましいじゃありませんか!
元から綺麗だとしても、年齢差がまったく気にならないほどになるには、
絶対なにかしてますよ!
それがプラセンタだとしたら、プラセンタやるっきゃないですよね!??
そんなわけで、私の美容サプリメントの開拓が始まりました。
アラフォーサプリメントアンチエイジングの効果
当時、プラセンタは今よりあまり知られておらず、検索しても注射をしている専門医もそれほどは見つからなかったようです。
サプリメントではドリンクがありましたが、月ごとの定期契約だったり、しかもなかなかのお値段でした。
今でこそ、肩こりや更年期に効果があるとか、色々聞きますが
当時は美容にサプリメントを取り入れるのも始めてのことでしたので、始めから注射はハードルが高すぎました。
プラセンタの代わりになるような美容サプリメントを試してみよう思って探したのが、
今では少し落ち着きましたが、その頃かなり流行っていたコエンザイムQ10でした。
こういった美容系サプリも流行りがあり、流行に乗って一気に売り上げたあと、効果が出た方だけが持続して買うようになるのでしょう。
一度流行に乗ると、あらゆるメーカーがこぞってサプリメント開発をしますので、
コンビニで買える安いものから、家までお届けの定期契約タイプまで飽和状態でした。
私は某化粧品メーカーが販売している、少しお値段の良い瓶入り錠剤を試すことにしました。
寝る前、いつも飲んでいるマルチビタミンと、鉄サプリを飲むときに、一緒に飲んでみました。
効果は、すごく元気になったとか、そういうこともなく、さほど変わらないような気もしていましたが、4日5日とたって・・・
いつものように、ランチを食べようと食堂へ向かう途中、一緒に食べている30代女性がそっと横に並び
「なにかしてる?」と聞いてきました。
最近の私が、変わってきているというのです。
「肌が綺麗になっている。あと髪。髪が特に違う」
髪のツヤがよく、劇的に違うというのです。
毎日たわいもない話題でゴハンを食べているだけですが、女性同士は良く見ているものですね。
「夜に飲んでるサプリにコエンザイムを増やした。相乗効果かも知れないから何が効いてるかわからないけど、そんなに違うんだ?」
「すごい違う。みんな言ってる。コエンザイムか・・・」
おそらく、課長の奥様を見たときの私のように、みんなコエンザイムを調べて購入したかと思います。
やらないよりは、やるほうが確実に見た目に違いが出るのは実証された瞬間でした。
アンチアンチとは言うものの、年は当たり前にとるものです。
最近では、アラフィフの女優さんやタレントさんなどが
「自然に年を取るのが一番」
と、年をとった自然体の姿を見せることで、それがまたカッコイイと受けてアンチエイジングブームは少し落ち着いたかに見えます。
だけども、自然に年をとるのが素敵に見えるのは、女優さんらが普段の努力の上で、どうにもならんところはシカタネという潔さが受けるのだと思うのです。
いくつになっても、年下の人から
「何をしてますか?」って聞かれるのは、ちょっと嬉しく思えますよね。